生前贈与のデメリット
相続税の負担軽減としてメリットも大きい生前贈与ですが、デメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか確認しておきましょう。
贈与したお金は返してもらえない
贈与をしたお金は基本的に返してもらえないと思って贈与をした方が良いでしょう。
そのため、自分が使うことがない余裕資金で贈与を行う必要があります。
老後の生活資金は現役時代よりも多くかかると言われています。
その理由は介護や医療費が多くかかるためです。
また、終の住処として、自宅を離れて有料老人ホームに入ったり、現在の家をバリアフリーにしたりするためにリフォームが必要となるかもしれません。
老後の生活には思わぬ出費がつきものですので、余裕を持って贈与の計画を立てるようにしましょう。
揉めないように注意する必要がある
生前贈与をする際は相続が発生してから揉めないようにする必要があります。
例えば同居をしている子供にだけ贈与をした場合には、相続人間で不公平が生じるため、揉め事に発展する可能性があります。
また、孫にも贈与をする場合には、孫の数に応じて贈与額が変わってしまうため注意が必要です。
差をつけたいのであれば差をつける理由をしっかりと説明しておかなければ争いが起こる可能性が高くなってしまいます。
相続人が納得して相続ができるように配慮しながら贈与をすることも大切です。
大きな効果を得るためには時間がかかる
生前贈与は簡単で確実な方法ですが、暦年贈与の制度を活用する場合少しずつしか贈与することができないため、大きな効果を得るためには時間がかかります。
財産が多い方は早めから計画的に贈与を行なっていく必要があります。
時間がかけられないという方は不動産を活用した方法や生命保険の非課税枠を活用する方法が有効です。
生前贈与ではすぐに効果が得られないということは認識しておいた方が良いでしょう。
まとめ
生前贈与は相続税の負担軽減に非常に有効です。確実に効果があるという点は生前贈与で大きなメリットとなります。
また、不動産投資のような大きなリスクを伴わずに税の負担軽減ができる点もメリットです。
相続税の負担軽減をする際に生前贈与は検討した方が良い選択肢の一つと言えるでしょう。
ただし、生前贈与で効果を得るためには時間がかかります。
すぐに効果を得たい場合は不動産投資や生命保険の非課税枠の活用など、他の対策もあわせて検討するようにしましょう。