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贈与税の申告は必要?贈与税申告のルールを解説

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贈与税の申告はもちろん、必要です。

贈与により財産をもらった人は、その贈与された財産の額によって贈与税を支払う義務を負います。

では、どれだけ財産をもらったら課税されるのでしょうか?

また、贈与税とはどのように計算するのでしょうか?

今回は贈与税の概要と申告について概要を見ていきましょう。

関連記事:相続税と贈与税、負担が小さいのはどっち?税率や算出方法を解説

 

そもそも贈与税とはなにか?

約94%が追徴を受けています。 

さらに、申告漏れに占める現金・預貯金等の占める割合は約73%となっています。

したがって、贈与税においては調査対象の多くが現金や預貯金の申告漏れをしているという結果になります。

これは驚くべき結果ではないでしょうか?

実際、同年度の所得税や法人税の申告漏れの割合に比べても多くなっています。

さて、そもそも贈与税とはどのような税金でしょうか?

順にみていきましょう。

贈与税の概要

贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のことです。

相続税と贈与税との関係でいえば、贈与税は相続税の補完税であるといわれており、この2つは関係の深い税金なのです。

財産がある人から他の人に移転するときに、その財産に対して課される税金のうち、亡くなった方からの移転は相続税、そうでなければ贈与税となります。

人が亡くなる前にその財産を全て贈与してしまうと、相続税の課税対象がなくなるため、この2つの税金を連動させて調整しているのです。

贈与税は、個人から現金や不動産など価値あるものをもらった時にかかります。

この「価値」というのは、例えば、個人から時価が1,000万円の車を200万円で譲り受けたり、借金を免除してもらったときにも差額の800万円や免除された借金の額を「贈与」として認識することとなります。

贈与税の計算

では、まず贈与税がどのように計算されるかを見ていきましょう。

贈与税は、一暦年間(1月から12月まで)に贈与により取得した財産の合計額に対して課税されます。

これを暦年課税(れきねんかぜい)制度といいます。

そして、贈与税にも基礎控除額110万円があります。

この基礎控除額の考え方としては、財産をもらった人1人につき年間110万円です。

1年間に3人の人から贈与を受けて合計額が110万円以上になったら課税されるわけです。

相続税にもあったように、贈与税でも一部非課税となるものがあります。

例えば、扶養義務者からもらう生活費や教育費、お見舞いなど社会通念上「相当」と認められるものには贈与税がかかりませんし、法人からの贈与は贈与税ではなく、受け取った人については所得税の対象となります。

贈与した人がその贈与した年に亡くなった場合は、その贈与された財産は相続税で計算するので、贈与税はかかりません。

このような部分が相続税と贈与税の調整というわけです。

さらに、贈与税には特例的に非課税が認められているものがいくつかあります。

父母や祖父母などからの贈与により、住宅用資金、教育資金、結婚・子育て資金等を受けたときに、非課税の適用が考えられます。

これらは、政策的な目的のために特例的に設けられた措置であるため、適用期限があります。

また、贈与税にも課税価格からの控除があります。

よく知られるものとしては、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の贈与があった場合等に基礎控除110万円のほかに最高2000万円まで控除できるという特例です。

これを贈与税の配偶者控除といいます。

贈与税の課税価格から基礎控除や適用できる非課税や控除を加味し、残額に累進課税による税率を適用して贈与税額が計算されます。

贈与税は相続税の補完税であるといいましたが、贈与税の税率は相続税よりも急な累進構造になっていて、相続税は1,000万円に対し10%ですが、贈与税では200万円に対し10%となっています。

もう1つの贈与税とは

贈与税には暦年課税制度以外に、「相続時精算課税制度」と呼ばれる課税制度があります。

この制度によると、暦年課税の基礎控除は使えませんが、2,500万円の特別控除があり、同じ父母や祖父母からの贈与において限度額の2,500万円に達するまでは非課税にできるというものです。

2,500万円を超えた贈与には贈与税(税率:一律20%)を支払っておきますが、その贈与した人が亡くなり、相続時にその贈与財産と相続財産の合計額に対する相続税額を求め、その相続税額から既に支払った贈与税額を精算するというものです。

しかし、この制度の適用には多くの要件や手続きがあり、H29年度の相続時精算課税の適用率は暦年課税の1割程度でした。

 

贈与税の申告

申告期限は、贈与のあった年の翌年2月1日から3月15日までです。

税務署は、贈与税については無申告事案を中心に調査をすると宣言しているように、過少申告や申告漏れが課題となっています。

2016年から所得税の源泉徴収などで、マイナンバー制度が導入されました。

このマイナンバーをもとに、税務署では個人の収入が把握しやすくなります。

以前は非常に時間のかかった調査でも、今後は調査しやすくなるでしょう。

贈与税の申告にあたって

一番手軽な方法は、国税庁のHPにある贈与税の申告書作成コーナーを見ることです。

所得税の確定申告をされた方であれば、申告書自体の作成はそんなに難しいものではありません。

そして先に紹介したように、贈与税の非課税の特例を適用すれば課税されないケースがあります。

ただし、これらの場合には申告要件、つまり申告書を提出すれば非課税を適用するという要件があるものが多いため要注意です。

また、贈与税には相続税と同様、「連帯納付の義務」があります。

同じ人から複数の人に同じ年に贈与があった場合の連帯納付義務となります。

しかし、相続税と1点だけ異なっています。

贈与した人にも連帯納付の義務があるということです。

この点も押さえておきましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここまでのポイントをまとめますと、

  • 贈与税の申告漏れは非常に多い
  • 贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金である
  • 贈与税には、2つの制度がある
    ①暦年課税:
    基礎控除110万円、累進課税
    ②相続時精算課税:特別控除2,500万円、一律20%、相続の際に相続税と精算されるため低率
  • マイナンバー制度の導入で今後は申告漏れが指摘されやすくなる

となります。

110万円超の財産を取得したら、期限内に申告することを強くお勧めします。

その際、非課税制度等の確認は所轄の税務署に電話で相談するのが手軽で、相談の結果、複雑になりそうであれば税理士等に依頼するのが早道かと思います。