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車・バイクの相続税対策と必要な手続きとは

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相続税の課税対象となる財産はあらゆる財産が含まれ、預金や株式等の金融資産や不動産が中心となるでしょう。

しかし、車やバイクも立派な相続財産です。

当記事では車やバイクの相続税対策についてくわしく解説します。

車・バイクは相続財産

車やバイクは経済的に価値のあるものですので、相続税の対象となります。

車やバイクは、時間が経つと新車として購入した価値からどんどん下がっていきます。

そのため、車やバイクは購入した時の価格ではなく、被相続人が亡くなった時点での時価で相続財産として評価します。

車やバイクは、相続財産としてしっかりとした手続きをせずにそのまま使用し続けてしまうケースが多くあります。

しかし、車やバイクは財産として遺産分割協議書に記載して、相続税申告の際にも財産として組み入れる必要があります。

 

車・バイクの相続手続き方法

車やバイクの相続方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

具体的な方法をみて行きましょう。

名義変更する

車やバイクを相続してそのまま使い続ける場合には名義変更をする必要があります。

名義変更をする際には遺産分割協議書に記載し、陸運局に届け出を行う必要があります。

陸運局への届け出には相続人を確定するための相続人全員が確認できる戸籍謄本やと、手続きをする車を特定するための車検証や車庫証明書が必要となります。

また、誰が相続をするか、遺産分割協議書も事前に作成しておく必要があり、多くの事前準備が必要です。

車やバイクを相続することは簡単な手続きではないということを覚えておきましょう。

売却する

相続した車やバイクを相続人が利用しない場合には売却することも可能です。

しかし、売却する際は一旦名義変更を行う必要があります。

売却する際も相続税の申告や名義変更の手続を行ってから売却する必要があるので、相続人がそのまま使わずに売却する際も複雑な名義変更手続きが必要です。

廃車にする

車やバイクを廃車にする際も遺産分割協議書を作成して、分割手続きを行ってから廃車にする必要があります。

遺産の分割手続きを行ったあとでなければ、誰が車やバイクを相続するか確定していないということになりますので、廃車手続きを行うことはできません。

また、廃車にする場合でも相続財産として相続税の課税対象となります。

廃車にするからといって相続手続きを行わなくて良いわけではありませんので、注意しましょう。

 

車・バイクの相続税対策

車やバイクを相続する際にはどのような対策を行うことができるのでしょうか。

車やバイクを相続する際の具体的な相続税対策を確認しておきましょう。

買い取り業者に査定書をもらう

相続税の計算をするために車やバイクの価格を調べる際はインターネットで中古車の売値を調べる方法が一般的です。

しかし、インターネットで中古車の売り値を調べるよりも、買い取り業者の査定の方が基本的に評価は安くなりますので、相続税評価を下げるためには買い取り業者に査定を貰った方が良いでしょう。

買い取り業者の方が安くなる理由は買い取り業者が買い取ったものを中古車販売の業者の利益分を載せているためです。

少しでも相続税評価を安くするためには買い取り業者の査定書を相続税の評価額とする方法が得策です。

相続する前に買い替えておく

相続人が車やバイクを引き続き使用するようなケースでは、新車に買い替えておくというのも一つの方法です。

車やバイクの評価額は新車の場合でも購入額よりも低く評価されるため、現金で持っているよりも車やバイクを買っておいた方が評価は低くなります。

 

車・バイクを相続する際の注意点

車やバイクを相続する際にはどのような点に注意をすれば良いのでしょうか。注意が必要な点を具体的に確認しておきましょう。

相続「財産」であることを意識する

車やバイクは相続財産ではありますが、相続「財産」として意識されずに処理されることもあります。

特に法定相続人のうち一人が被相続人と同居しているようなケースでは当然のように同居をしていた相続人がそのまま使い続けたり、売却したり、廃棄するという意思決定を下すケースもあります。

しかし、車やバイクは相続財産ですので、本来は相続人全員で話し合って誰が相続するかを決めたうえで車やバイクの処理方法を決める必要があります。

車やバイクも預貯金や株式等の金融資産や不動産と同じように相続する財産であるということを意識しておく必要があります。

遺産分割協議書に記載する

相続財産であるということを意識するということは遺産分割協議書にも記載する必要があるということです。

遺産分割協議書には自動車やバイクの登録番号・車名・型式等を記載して、車やバイクを特定する必要があります。

遺産分割協議書に記載し、誰が相続するかを明確に示しておくことは非常に重要です。

相続人間でトラブルに発生する理由は様々ですが、些細な意識のずれが大きなトラブルに発展することも多くあります。

何億と財産を保有する被相続人の遺産分割においても、数十万円の資産の分け方の不公平さで揉めるということも発生します。

財産の額に対する割合が例え小さかったとしてもしっかりと配分を話し合い、遺産分割協議書に記載するようにしましょう。

 

まとめ

車やバイクの相続手続きの方法や相続税対策についてご紹介しました。

全ての資産に対して相続税対策をする際は相続税評価額を圧縮することが重要です。

車やバイクの評価を少しでも下げるためにはインターネットで公開されている「売り値」ではなく、買い取り業者が実際に買い取る値段を調べておくことが重要です。

インターネットで売り値を調べるのと比べると買い取り業者の査定をとることは一手間がかかってしまいますが、ほぼ確実の評価を下げることが可能です。

また、自動車やバイクは相続財産としてしっかりと遺産分割協議書に掲載して相続手続きを行うことが重要です。

手続きを怠り、相続人のうち一人が勝手に自動車やバイクを使用したり、売却したりした場合には財産を分割する際にトラブルになる可能性もありますので注意しましょう。

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