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相続税申告を自分でするには?失敗しないための手順とは

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相続が発生すると様々な手続きが必要です。

その中でも大きな負担となるのが相続税の申告ではないでしょうか。

相続税の申告は税理士に任せることもできますが自分で申告することも可能です。

当記事では相続税の申告を失敗しないための手順や注意点をご紹介します。

相続税申告とは

相続税の申告とは、被相続人(亡くなった方)が保有していた財産を相続した相続人に課される税金を申告することです。
被相続人が保有していた課税対象財産の総額が基礎控除を超えている場合は相続税の申告を行う必要があります。
基礎控除は3,000万円+法定相続人×600万円で算出します。
例えば法定相続人が3人の場合は、課税対象財産が4,800万円(3,000万円+600万円×3)を超えていれば相続税の申告が必要です。
課税対象財産は被相続人が保有している現金、有価証券、不動産などあらゆる財産が対象となります。
 

相続税申告の手続きは自分でできる?

相続税の申告手続きは税理士などに依頼することもできますが、自分で行うことも可能です。
自分で手続きを行うかどうかはどのように判断すれば良いのでしょうか。

手続きの複雑さは人によって異なる

相続税の申告を税理士等の専門家に依頼した場合は費用が発生してしまいます。
費用をかけずに相続税の申告を済ませたい方は自分で行うと良いでしょう。
ただし、自分で手続きを行うかどうかを決定する前に、自分が行う手続きがどれくらい複雑な手続きかを理解してから判断する必要があります。
相続手続きが複雑かどうかを判断する基準は被相続人が保有する財産の種類の多さです。
現金や預貯金は複雑な計算は必要ありませんが、不動産など現金や預貯金以外の財産は評価方法が複雑なため、相続税の計算も難しくなります。
自分で相続税の申告手続きを行う場合は自分が行おうとしている相続税の申告手続きが複雑なのか否かもよく考えて判断するようにしましょう。

期限は短い

自分で相続手続きをできるケースであっても相続税の申告は慣れない方にとっては非常に複雑な手続です。
また、相続税の申告期限は相続人が相続を発生したことを知った日から10ヶ月以内と期限が決められています。
自分で行うか否かを判断する際に、10ヶ月という短い期間で申告を行う必要があることも頭に入れておきましょう。
 

相続税申告手続きの順序

相続税申告手続きの順序を解説します。
相続税申告のためには、大きく分けて2つの行程です。
最初に必要書類を集める必要があります。
次に申告書を記入します。
それぞれの行程を見ていきましょう。

必要書類を集める

相続税の申告をするためには様々な書類を集める必要があります。
相続税を計算するためにはまず法定相続人を確定し、その法定相続人を確定させるためには被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を全て集める必要があります。
また、法定相続人全員の戸籍謄本や戸籍の附票などが必要です。
相続が発生したらまずは相続人を確定させるための書類が必要になるということを覚えておくと良いでしょう。
このような書類は複数の市役所や区役所に依頼する必要があるため、手間と時間がかかります。
費用はかかりますが、司法書士や弁護士などの専門家に依頼することも可能ですので、自分で収集が難しい場合は専門家に依頼すると良いでしょう。
法定相続人を確定させることができたら、次は相続税の課税対象となる財産を確定させる必要があります。
被相続人が保有していた預貯金、有価証券、不動産などあらゆる資産家が相続税の対象となりますので、評価を証明するものが必要です。

申告書を記載する

相続人と財産を確定させるための書類を集めたら相続税の申告書を記載します。
申告書は第1表から第15表まであり、保有している財産などによって記載する書類が異なります
相続税の申告書は慣れていない人には難しい書類ではあるものの、素人には全く書けないと言うものではありません。
書類の準備さえできていれば該当箇所に記載していくことで申告書を完成させていくことができるでしょう。
忙しくて自分ではできないと言う方は、費用がかかってしまいますが税理士などの専門家に頼むことも可能です。
 

自分で相続税を申告する際の注意点

自分で相続税を申告する際に注意する点はどのようなことがあるのでしょうか。
自分で行う場合の注意点を見ていきましょう。

期限を意識する

相続税の申告は相続人が相続を知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。
期限に間に合わずに期限後申告となった場合には各種特例が利用できなくなったり、追徴課税をとられたりするなど、様々なデメリットがあります。
慣れない手続きを自分で行おうとして期限が過ぎてしまうくらいなら、初めから税理士などの専門家に依頼して確実に行う方が良いでしょう。
また、期限ぎりぎりになってから税理士に依頼しても間に合わない場合もありますので、期限に間に合わなさそうな場合には早めに依頼する様にしましょう。

財産の申告漏れ

相続税は被相続人が保有していたあらゆる財産が課税対象となります。
相続税の申告に慣れていない人が申告をする場合、相続税の申告漏れに注意が必要です。
例えば、自動車や金地金なども相続税の対象となりますが、相続税の対象にならないと勘違いして申告から漏れてしまうケースもあります。
自分で申告をする場合は相続税の課税対象となる財産を漏らさずに申告をすることが重要です。
 

まとめ

相続税の申告は自分で行うことも可能です。
ただし、相続税の申告は慣れていない方には複雑な手続きです。
相続人を確定させる書類や財産を確定する書類を収集するだけでも大変で、更に申告書を作成して10ヶ月という短い期間で申告を完了する必要があります。
また、相続税申告の複雑さは被相続人が保有している財産により大きく異なります。
現金以外の財産が多く、不動産など評価が難しい財産を複数保有している場合は申告が非常に複雑で難易度が上がりますので注意しましょう。
まずは自分で本当に相続税の申告手続きを完結できるかを検討してから手続きを始めることが重要です。