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遺産相続は期限付!損しないために必要な基礎知識3つ

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遺産相続には様々な複雑な手続きが必要です。

その中でも様々な期限があることをご存知でしょうか。

遺産相続の期限を守らないと思わぬ不利益を被ることもあります。

当記事では損をしないために知っておきたい遺産相続に関する期限を3つご紹介します。

相続には様々な期限がある

 
相続には様々な期限があります。
期限が定められている理由は相続による財産承継を円滑に行うためです。
相続が円滑に行われなければ多くの人が困ることになります。
例えば国税庁はいつ相続税が支払われるかわからないため、いつまで待っていればよいかわかりません。
また、亡くなった被相続人と不動産の賃貸借契約等の契約を結んでいた人や被相続人にお金を貸していた利害関係者も、どの相続人と契約を続ければよいかわかりません。
相続が発生したら円滑に手続きを済ませなければ色々な人が困ってしまうため、様々な期限が設けられているのです。
 

遺産相続の期限の起算日は?

 
遺産相続の起算日(期限がスタートする日)がいつになるのか意外と知らない方は多いのではないでしょうか。
実は遺産相続の起算日は「被相続人が亡くなった日」ではありません。
遺産相続の起算日は「相続人が相続を発生したことを知った日」です。
配偶者や子供が法定相続人である場合には亡くなった日=相続人が知った日であることが一般的です。
しかし、遠縁の場合には被相続人が亡くなってしばらく経ってから法定相続人が知ることもあるでしょう。
そのため、相続が発生したことを知らずに期限切れになることを防ぐために「相続が発生したことを知った日」を起算日としているのです。
また、注意が必要なことは自分が法定相続人であることを認識していなかったとしても相続が発生したことを知っていればその日が起算日となります。
たとえ民法の法定相続割合のルールを知らなかったとしても期限は到来してしまうので注意が必要です。
 

相続放棄・限定承認は3ヶ月以内

 
遺産相続には様々な期限がありますが、特に注意が必要なものの一つが相続放棄と限定承認です。
遺産相続において初めに到来する重要な期限が相続放棄・限定承認の期限となる3ヶ月です。
相続放棄をすると財産の相続を放棄して、初めから法定相続人ではなかったことになります。
被相続人が預金や不動産などプラスの財産よりも、借金などマイナスの財産が多い場合、相続放棄を行うことで借金を引き継ぐ必要が無くなります。
もし、期限を過ぎてしまうと借金も引き継がなければならなくなりますので、被相続人の借金が多い場合は期限内に相続放棄の手続きを済ませることが重要です。
相続放棄は相続人が単独で行うことができます。
一方の限定承認はプラスの財産がマイナスの財産を上回る場合のみ財産を相続する方法です。
被相続人の財産の全容が把握できていない場合に有効な手段と言えるでしょう。
限定承認は被相続人全員で合意して行う必要があり、手続きも相続放棄よりも複雑ですので、早めに準備をすることが重要です。
また、相続放棄や限定承認は「熟慮期間の伸長」と呼ばれる期限の延長制度があります。
家庭裁判所に期限到来前に財産の調査に時間がかかるなどの理由を示して申請することで3ヶ月から半年程度期限を延長することが可能です。
期限が過ぎてから延長することはできませんので、どうしても期限に間に合いそうにない場合は熟慮期間の伸長の申請を行うようにしましょう。
 

相続税の申告は10ヶ月以内

 
相続放棄と限定承認に並ぶ重要な期限となるのが相続税の申告です。
相続税の申告は相続が発生したことを知った日から10ヶ月以内に行う必要があります。
10ヶ月と言うとある程度余裕がある期限が設定されているように感じるかもしれません。
しかし、実際は10ヶ月と言う期間は非常に短いと考えた方が良いでしょう。
まず相続が発生した直後は葬儀や香典返し、電気やガスなどのライフラインの手続きなどが必要です。
大切な人を失った悲しみに暮れる間もなく忙しい日々が続きますので、2、3ヶ月はあっという間に過ぎてしまいます。
その後誰が何をどれくらい相続するか、遺産分割協議が始まります。
相続人が多い場合や遠地に住む相続人がいる場合はなかなか集まることもできませんので、配分を決めることにも時間がかかります。
また、関係の悪い相続人がいる場合は配分を巡って争いに発展することもあります。
無事配分が決定したところで初めて相続税の申告手続きを始めることができます。
相続税の申告は不動産の評価など複雑な計算が必要になりますので、申告手続きにも時間がかかります。
これら一連の作業を考えると10ヶ月という期間は非常に短い期間と言えるでしょう。
では相続税の申告期限である10ヶ月を過ぎるとどうなってしまうのでしょうか。
期限が過ぎると「期限後申告」になってしまい、各種特例が使えなくなるという大きなデメリットが発生します。
相続税の申告をするうえで配偶者控除や小規模宅地の特例などの各種特例は非常に大きい節税効果があるため、このような特例が使えないことは大きなデメリットです。
また、相続税をなかなか支払わない場合、年2.6%(2020年時点)の延滞税が課されます。
延滞する期間が長くなればなるほど延滞税により税金が増えていってしまいますので、早めに申告して納税を済ませることが大切です。
 

まとめ

相続には様々期限があります。
期限を過ぎてしまうと自分自身が不利益を被ることになります。
まずは「相続が発生したことを知った日」という期限の起算日を知っておくことが重要です。
また、自分が相続人であることを知らなかったとしても、被相続人が亡くなったことを知っていれば期限はスタートしてしまいますので注意が必要です。
相続手続きは様々な期限がありますが、その中でも特に大切なものが、相続放棄、限定承認の期限となる3ヵ月と相続税の申告期限となる10ヶ月です。
この二つの期限に遅れると大きなデメリットが発生しますので必ず守るようにしましょう。
また、間に合いそうにない時は、相続放棄や限定承認の場合は家庭裁判所に理由を申し出て期限を延長してもらうことが可能ですので、必要に応じて家庭裁判所に申請することも重要です。