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土地の相続手続き手順を解説|不動産の名義変更の必要書類や費用について

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相続が発生すると様々な手続きが必要です。

その中でも、土地や建物等の不動産は預金や株等の金融資産に比べると複雑な手続きが必要です。

今回は土地の相続手続きの手順を解説します。

土地の名義変更が何故必要か

 
相続が発生すると名義変更が必要です。
まず始めに何故土地の名義変更が必要かご説明します。
土地は登記によってその所有者が誰であるかが対外的に示されています。
逆に言うと土地は登記しておかないと自分が持っていることを対外的に証明することができないのです。
対外的に証明できないということは建物を建てたり売却したりする際に様々な不都合が生じてしまいます。
相続で土地を引き継いだ際に登記を怠ったからと言って罰金を取られるわけではありません。
しかし、引き継いだ土地を活用したり、売却する際には登記をしておかないと何かと不便です。
例えば、土地を担保に融資を受け、建物を建てる際には必ず登記をしていなければなりません。
なぜなら、金融機関は登記がされていない不動産は担保にすることができないからです。
また、登記をしておかないと次の相続が発生した際に、より多くの関係者から書類をもらわないと手続きをすることができなくなってしまいます。
そのため、相続が発生したら必ず土地の名義変更をしなければいけないということは覚えておいた方がよいでしょう。
相続発生から土地の名義変更までの流れをご紹介します。
 

遺言で指定されていない場合は遺産分割協議書を作成する

 
遺言で土地を誰が相続するかを指定されていない場合は誰が、どの土地を相続するか遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺産分割協議書とは全ての財産を誰が何を相続するかを記載する書類です。
全ての財産を記載する必要があるため、土地を誰が引き継ぐかだけでなく、金融資産やその他の財産も誰が何を相続するか、よく話し合って決める必要があります。
特に土地等の不動産の分割は難しいと言われています。
その理由は不動産が同じものは世界に二つとないからです。
現金であれば、2人で半分ずつ分けてもなんら問題はありません。
しかし、土地は2人で持ち分均等の共有で相続してしまうと、相続した後に売却や有効活用等で意見が分かれてしまう可能性もあります。
複数で相続してしまうと意見が分かれた場合に手続きが進まなくなってしまうため、共有での相続には注意が必要です。
特に3人以上の相続人で共有する場合や、疎遠な相続人同士で共有することは避けた方が良いでしょう。
特に特定の不動産が相続財産の大部分を占める場合は分割の話し合いが難しくなります。
1人の相続人がその不動産を相続する代わりに現金で他の相続人に支払う「代償分割」という方法で分割することも可能です。
土地の相続の流れは、まずは誰がどの土地を引き継ぐかを決めることが重要だということを覚えておいてください。
誰が土地を相続するかが決まらないと手続きを進めることはできません。
土地の相続で最も重要なことは、遺産分割協議書を速やかに作成することと言えるでしょう。
 

必要な書類を収集する

 
遺産分割協議書を作成することができたら相続登記をするために必要な書類を収集します。
相続登記のために必要な書類は以下の通りです。
  1. 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  2. 被相続人の住民票の除票(本籍地の記載があるもの)
  3. 相続人の戸籍謄本(土地を相続しない相続人も含めて相続人全員分)
  4. 印鑑証明書(土地を相続しない相続人も含めて相続人全員分)
  5. 相続人の住民票(不動産を相続する相続人のみ)
  6. 不動産の登記事項証明書
  7. 不動産の固定資産評価証明書
  8. 遺産分割協議書(遺言がある場合は遺言)

不動産の登記には上記のような書類が必要です。

書類を集めるだけでも、かなり手間がかかります。

数万円~数十万円の費用がかかりますが、司法書士に依頼すれば、簡単に書類を集めることもできますので、お仕事等で忙しい方は司法書士に依頼することを検討してみてもよいでしょう。
 

相続登記の申請を行う

必要書類がそろったら相続登記の申請を行います。
登記とは不動産の名義が誰のものであるかを対外的に公示できる大切な手続きです。
しかし、書類が揃えば登記をすることは難しいことではありません。
相続登記は管轄の法務局に申請する必要があります。
申請方法は大きく分けて3つあります。

法務局の窓口で申請を行う

まず一つ目が法務局の窓口で申請する方法です。
法務局には不動産登記の担当課がありますので、窓口に直接出向いて申請することで、疑問点などを直接聞くことができます。
但し、窓口で申請を行っても登記完了までは通常1週間~2週間程度かかりますので、完了後に受け取ることができる「登記識別情報通知書」や「登記完了証」はその場で受け取ることはできません。
法務局の窓口で申請する場合、本人確認書類が必要となる場合があります。
また、他に必要な書類がないか、事前に電話で確認しておくと良いでしょう。

郵送で申請を行う

法務局に仕事の都合等で行くことが難しい場合は郵送で申請することも可能です。
郵送で手続きを行う場合は必ず書留郵便で送るようにしましょう。
郵送で手続きを行う場合は窓口のようにその場で不備を訂正することができないため、申請書に捨て印をしておくことでスムーズに手続きを行うことができます。
完了の際に受け取る「登記識別情報通知書」や「登記完了証」は窓口に受け取りのほか、郵送で受け取ることもできます。
郵送で受け取る場合は書類送付時に返信用封筒を同封する必要がありますので忘れないようにしましょう。

オンラインで申請を行う

相続登記の手続はオンラインで申請を行うことも可能です。
電子証明書を取得するなど、オンライン申請での手間もありますが、郵送費用が削減できるなどメリットもあります。
また、法務省のHPには手続き方法が詳細に掲載されており、オンライン申請のサポートデスクもありますので、パソコンやインターネットの操作に慣れている方は問題なく手続きできるでしょう。
 

相続登記の費用

 
土地の相続登記を行う場合、書類の収集費用以外に必ず必要となるのが、「登録免許税」と言われる税金です。
登録免許税は土地の評価額×0.4%の税率で課税されます。
登録免許税は収入印紙を登記申請書に貼って納付します。
収入印紙は郵便局等で購入するか、法務局に併設に印紙売り場で購入することができます。
他にも登記の申請自体を司法書士に委任する場合には司法書士の報酬を支払う必要があります。
 

まとめ

土地の相続手続きの手順と費用を解説しました。
土地の相続手続きは面倒な手続きではありますが、しっかり行っておかないと後々困ることになってしまいます。
相続が発生したら速やかに手続きを行うようにしましょう。
また、相続が発生したらまず行う必要があるのは相続人で話し合って遺産分割協議書を作成することです。
分割方法が決まらなければ、土地だけでなく、全ての財産の手続を進めることができません。
まずは遺産分割協議書の作成を優先しましょう。
分割方法が決定すれば、書類を集めて申請するのみです。
お仕事等で書類を集める時間をとることが難しい場合は司法書士等の専門家への依頼を検討してみても良いでしょう。