【保存版】相続税申告の必要書類リストと記入方法まとめ
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相続が発生すると10ヶ月以内に相続税の申告を済ませる必要があります。
相続税の申告と言われても何から手をつければいいかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は相続税申告に必要な書類や記入方法について解説します。
相続税申告の必要書類は2つの目的のために必要な書類
相続税の申告に必要な書類は非常に多くて複雑です。
また、相続税の申告のために必要な書類は2つの目的を果たすために用意する必要があります。
ひとつ目は身分を確定させるという目的です。
相続において身分とは法定相続人を確定することです。
法定相続人が確定しなければ相続税の算出をすることができません。
基礎控除は3,000万円+法定相続人×600万円で計算をします。
そのため、法定相続人が確定しなければ相続税の計算をすることができないのです。
また、相続税には配偶者と一親等以外の血族を除く相続人が財産を受け取った場合、相続税が2割加算になると言う決まりがあります。
このように、法定相続人の人数や被相続人との関係が明らかにならなければ相続税の計算をすることができないのです。
ふたつ目は被相続人が保有していた財産を確定するという目的です。
相続税は預金や株などの金融商品だけでなく、不動産や貴金属などあらゆる財産に対して課税されます。
そのため、相続税を計算するためには保有する財産を一覧化したものが必要です。
法定相続人を確定させるための書類
相続税を計算するためには法定相続人を確定しなければいけません。法定相続人を確定するためには以下の書類が必要です。
- 被相続人の戸籍謄本(出生から亡くなるまでのもの全て)
- 被相続人の住民票除表
- 被相続人の戸籍の附票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍の附票
- 相続に全員のマイナンバーカード
- 相続人全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
これらの書類で法定相続人を確定させることが可能です。
相続税を計算するためには必ず法定相続人を確定しておく必要があります。
法定相続人が確定しなければ相続税の基礎控除を算出することができないため、相続税を計算することができません。
相続税の計算をする前に法定相続人を確定する必要があるということを覚えておきましょう。
財産を確定させるため書類
被相続人が様々な種類の財産を保有している場合もあるでしょう。
その場合、財産を一覧化するためにはあらゆる種類の財産を評価し、財産目録を作る必要があります。
そのため、財産の種類によって用意する書類も異なります。
財産別に必要な書類を見ていきましょう。
銀行預金・株など
銀行預金はほぼ全ての被相続人が保有しています。必ず必要な書類として確認しておきましょう。
- 残高証明書(金融機関ごとに必要)
- 定期預金の経過利息計算書
- 株式等の配当金支払通知書
不動産
自宅や、賃貸用の不動産を保有している場合に用意する必要がある書類です。- 固定資産税課税明細書
- 登記簿謄本
- 治績測量図・公図の写し
- 賃貸借契約書(保有している不動産を人に貸している場合)
- 住宅地図
生命保険
生命保険はみなし相続財産として相続税の課税対象です。被相続人が生命保険を契約していた場合に必要な書類を確認しておきましょう。
- 生命保険支払通知書
- 生命保険証書
その他の財産
預金や不動産、生命保険以外にも被相続人が保有しているあらゆる財産が相続税の課税対象となります。その他の財産で必要な書類の一例を確認しておきましょう。
- 車検証(自動車を保有している場合)
- ゴルフ会員権等の証書
- 貴金属などに関係する書類
- 金銭消費貸借契約書など、借入金や貸付金に関する書類
- 贈与税の申告書・贈与契約書(過去3年以内に贈与を行っている場合)
これらの書類は財産を保有している場合に必要な書類です。
上記にあげたもの以外でも財産として価値があるものは全て相続税の課税対象となります。
被相続人が保有している全ての財産について価値を証明するものが必要となります。
相続税申告書類の記入方法
次に相続税申告書類の記入方法について解説します。
相続税の申告書には第1表から第15表まで全部で15種類あります。
今回は必ず提出が必要となる4種類についてご紹介します。
相続税の申告書(第1表)
第1表は相続人のうち、誰がいくら納税するかを一覧にまとめたものです。そのため、第1表はすべての計算を終えた後でなければ作成することができません。
相続税の総額の計算書(第2表)
第2表は被相続人が保有していた財産と法定相続人から算出する基礎控除などを差し引いた結果、相続税が総額いくらかかるのかを計算して記載したものです。課税対象財産の目録(第11表)
第11表は課税対象財産を全て一覧化して掲載する財産目録です。現金や土地、建物、有価証券など、あらゆる財産とその評価額を記載していきます。
最終的には第15表で種類別にまとめて記載する必要がありますので、種類別に記載しておくと良いでしょう。
種類別の財産一覧(第15表)
第15表は種類別に財産を一覧化するものです。例えば現金・預貯金は複数の銀行に預けていても合算して一つの項目として記入します。
第11表で作成した財産目録を項目ごとにわけて作成します。
まとめ
相続税申告に必要な書類や申告書の書き方についてご紹介しました。相続税の申告は人生で何度も経験するものではありません。
そのため、慣れない手続きで戸惑うこともあるでしょう。
相続税の申告をするためにはまず必要書類を集めることが重要です。
相続人を確定させるための書類と財産の評価額を確定させる書類を揃えることで、相続税を計算できるようになります。
必要書類は司法書士や弁護士などに依頼すれば代わりに集めることもできますので、忙しい場合は専門家に依頼すると良いでしょう。
必要書類を集めることができたら、申告書を記入していきます。
必要書類が集まっていれば申告書を全て埋めることができるでしょう。
ただし、申告書の記入も慣れていない人には大変なものです。
相続税の申告は税理士に依頼することも可能です。
費用はかかりますが、自分で作成することが難しい場合は依頼してみると良いでしょう。