生前贈与は有効な相続税の負担軽減として多くの人が活用しています。
当記事では有効な生前贈与の方法とメリット・デメリットをご紹介します。




生前贈与を活用して相続税の負担軽減を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、生前贈与は課税の仕組みや税率の決まり方を知っておかないと、相続税よりもかえって高くなることもあります。
生前贈与の税率はどのように計算をすればよいのでしょうか。
当記事では生前贈与の仕組みや効果、贈与税の税率について解説します。




生前贈与を活用することで、相続税の負担軽減になります。
しかし、相続開始前3年以内に贈与した場合、相続税の対象となるということをご存知でしょうか。
当記事では贈与税課税の仕組みや、相続開始前3年以内に贈与した場合でも贈与の対象とする方法を解説します。




遺産を相続する際にかかる相続税は、普段の生活ではなかなか意識しないものです。
しかし、できることなら相続税を少なくしたいと誰もが思いますよね。
相続税は、生前贈与をすることで減らすことができるのです。
ここでは、生前贈与するメリット・デメリット、生前贈与の方法や注意点などについてお話していきます。
生前贈与の知識を深め、損のない相続をしていきましょう。

相続税は、相続財産の総額が基礎控除額以下の場合には負担軽減対策をしなくても良いです。
そもそも相続税には、基礎控除額というものが設けられています。
基礎控除額は以下の計算式で求められます。
3,000万円+(法定相続人×600万円)
基礎控除額は、法定相続人の人数により変動します。
相続財産が基礎控除額以下であれば、相続税がかかりません。
ですから、生前贈与等の対策はしなくても良いのです。
被相続人がご健在のうちから、遺産総額がどの程度になるかを把握しておけば、生前贈与の対策が必要なのか見えてくるでしょう。
関連記事:生前贈与の税率を簡単に計算する方法

遺産総額が基礎控除額よりも多くなる場合、相続税が発生します。
しかし、負担軽減対策をすることで支払う税額が少なくなるので、対策をしてみると良いですね。
相続税の負担軽減対策には、生前贈与がおすすめです。
なぜなら被相続人がお亡くなりになってからではとれない対策だからです。
生前贈与にはいくつか種類があり、複数の生前贈与を利用することで、大きな負担軽減効果を生みます。
後から「こんな方法があったなんて知らなかった!」「生前のうちから取り掛かれば良かった!」と後悔しても遅いのです。
ご自身の状況にあてはめ、利用できそうな生前贈与があればぜひ活用していきましょう。

まずは、生前贈与のメリットを知りましょう。
生前贈与のメリットは3つあります。
それでは、順にみていきましょう。
生前贈与の目的は、相続時にかかる税金を減らすことです。
つまり相続時、被相続人がお亡くなりになる前までに相続税の対象となる財産を減らしておけることが最大のメリットといえます。
相続税の対象となるのは、現金はもちろん土地や建物・貴金属や骨董品など様々です。
被相続人がお亡くなりになった時点で全て所有していたのでは、相続税の対象となってしまいます。
少しずつ贈与して手持ちの財産を減らしていくことが賢いのですね。
1年間で110万円以下であれば贈与税はかかりません。
贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に、贈与により取得した財産の合計額が110万円以下であれば非課税となります。
つまり被相続人が毎年110万円ずつ5年間に渡り贈与していけば、550万円の負担軽減対策がとれるというわけです。
しかし、110万円という数字には注意が必要です。
例えば父親から100万円、母親から50万円の贈与を受けた場合、合計150万円になるため110万円を超えた40万円の部分は課税対象になります。
また、被相続人が子どもと孫10名など複数人に対して110万円ずつ贈与することは問題ありません。
相続する相手を選ぶことができるのも生前贈与ならではのメリットといえます。
被相続人がお亡くなりになってからの相続となれば、法定相続人に遺産が渡ります。
法定相続人は、戸籍上の配偶者や子ども・孫や両親となるため、相手を選ぶことはできません。
中には、事実婚のように内縁関係にある妻や夫がいるにも関わらず、戸籍上妻や夫ではないため、遺産を相続できなかったという方も多いものです。
絶縁状態になっている子どもより、身の回りの世話をしてくれた他人に財産を託したいという場合もあるでしょう。
相続時のトラブルを回避するためにも、生前から遺産を振り分けておくのは大切なことといえます。

メリットの反面、生前贈与にはデメリットとなることもあります。
生前贈与のデメリットは3つです。
メリットだけではなく、デメリットも知り生前贈与を進めましょう。
まず生前贈与をするためには、贈与契約書を作成する必要があります。
贈与契約書を作成する理由は、贈与された証明になるからです。
税務調査が入ったとしても、贈与契約書を交わしていれば、贈与の事実であったことを証明できます。
贈与契約書自体は、税理士や弁護士を通さずにご自身で作成も可能ですし、内容も難しいものではありません。
贈与契約書の作成に手間がかかりデメリットと思われる方は、税理士や弁護士にお願いするのも良いでしょう。
相続開始3年以内の贈与に関しては、相続税を支払う対象になってしまいます。
被相続人がお亡くなりになる前の3年以内の贈与はなかったことにされてしまうのです。
これは死期が迫り、慌てて生前贈与をして相続税を免れようとする人に対処するためです。
相続開始3年以内にさかのぼり、贈与された財産は相続税申告の対象となることを覚えておきましょう。
関連記事:相続開始前3年以内の贈与は無効?贈与加算できる方法とは
仮に110万円を10年間お子さんに贈与していった場合、手元に残る現金は少なくなっていきます。
相続税の負担軽減とはいえ、老後の資金が減っていくのはいささか不安になりますよね。
人間誰しもいつお亡くなりになるか分かりません。
負担軽減ばかりに気を取られ、「贈与し過ぎてしまった!」とならないよう注意が必要です。
被相続人が亡くなられた時に法定相続人は何人になるのか、基礎控除額はいくらになるのか、計算してみると良いですね。
基礎控除額に収まる財産分は手元に残しておくよう、計画的に進めていきましょう。
関連記事:生前贈与を活用して相続税の負担軽減|メリットとデメリットは?

では生前贈与の方法にはどのような種類があるのでしょうか?
生前贈与の方法には、主に以下の4つの方法があります。
どういった方法があなたにぴったりなのかみていきましょう。
暦年贈与とは、年間110万円まで贈与税が非課税となる生前贈与の方法です。
内容が重複しますが、その年の1月1日から12月31日までに贈与という形で財産を譲る場合に適応される贈与の仕方です。
贈与された額が合計で110万円以上にならないように注意して贈与を行えば、贈与税をかけずに財産分与が行えます。
暦年贈与では、贈与契約書は毎年交わさなくてはなりませんが、雛形さえ作ってしまえば少しの修正で済むので手間はかからないでしょう。
結婚や子育て資金という名目で贈与することも可能です。
その場合、一括で1,000万円まで贈与税がかからないため、暦年贈与のように毎年贈与契約書を交わす手間はなくなります。
ただし結婚に関しての贈与は、300万円までです。
手続きは金融機関の窓口で行われ、管理契約を結びます。 子どもや孫の専用口座を作り、一括で贈与資金を入金すれば贈与は完了です。
贈与を受けた子どもや孫は、結婚や子育てに関する費用としてお金を使ったことを証明する領収書等を金融機関に提出すれば、お金をおろすことが可能です。
祖父母や親から30歳未満の子どもや孫に教育資金として、非課税で贈与することも可能です。
結婚・子育て資金よりも高額の1,500万円が上限となっています。
教育資金とは幅広い用途が認められており、学費はもちろん塾や習い事・習い事に使う道具なども該当します。
結婚・子育て資金と同じように、金融機関で専用口座作成・管理契約を結べば準備は完了です。
ここで注意したいのは、教育資金贈与信託は30歳で契約終了になってしまうことです。
使い切らなかった残額は、贈与税が課されることを覚えておきましょう。
住宅取得等資金贈与という方法もあります。
簡単にいうと、子どもや孫がマイホームを建てたり、増築する場合に使う資金として現金を贈与することです。
現時点では、最大1,500万円までの贈与が非課税として認められており、省エネ等住宅や契約の終結日によって金額は異なります。

生前贈与をするときの流れも知っておくといざ利用する際に便利です。
ここでは5つの流れに分けて、ご説明していきます。
それでは順にみていきましょう。
最初に行いたいのは、生前贈与の計画を立てることです。
ご自身が持つ財産がいくらになるのか、土地の評価額等も含め把握をしていきましょう。
その上で、どの程度の財産を生前贈与するべきか考えていきます。
負担軽減を意識するあまり無計画に贈与してしまうと老後の資金不足が起こってしまうこともあります。
贈与を受ける人と協議することも大切です。
例えば、子育て資金や教育資金として贈与したい場合、贈与を受ける人はどう考えているか意見を聞く必要があります。
契約期間が過ぎてしまえば、贈与税として税金を納める義務が発生します。
どの程度の資金が必要なのか、しっかりと話をして予測をつけておくと良いでしょう。
贈与する側・贈与される側の意向が合えば、贈与契約書の作成に入っていきます。
贈与契約書はご自身で作成も可能ですし、税理士・弁護士に依頼することも可能です。
贈与契約書には以下の内容を含めて作成していきましょう。
トラブル回避のためにも、必ず贈与契約書の作成が終わってから財産の引き渡しを行うことをおすすめします。
準備が整ったら、贈与する財産の引き渡しに入ります。
必ず贈与契約書に記載されている渡し方で贈与するようにして下さい。
土地や建物などを贈与する場合には、名義変更の手続きも進めていきましょう。
必要があれば、贈与税の申告や納税を行います。
生前贈与をする人は、主に負担軽減対策の手段として行う人が多いです。
中には非課税の110万円より金額が大きくなってしまったり、土地や建物の贈与などで贈与税が発生してしまうことがあります。
贈与税の申告・納税を忘れてしまうと、後から加税されてしまうこともあるため、必ず贈与税を支払う必要はあるのか確認しましょう。
関連記事:【必読】生前贈与に必要な手続きや注意点

最後に生前贈与をするときの注意点をお話していきます。
大事なポイントなので、改めてご確認ください。
まず注意したいのが、定期贈与とみなされないようにすることです。
暦年贈与では、110万円まで非課税となります。
110万円を10年間贈与した場合、1,100万円の負担軽減になりますよね。
これは大きな負担軽減対策となるのですが、毎年同じ額を10年繰り返し贈与すると「最初から1,100万円の負担軽減を目的に贈与したのではないか?」とみなされ、贈与税が課されることがあります。
このように一定期間、一定の財産を贈与することを定期贈与といい、定期贈与かと疑われることを避けなければなりません。
定期贈与ではないと思われるためには、毎年贈与する度に贈与契約書を作成すると良いです。
連年贈与であっても、きちんと毎年贈与契約書を作成すれば問題はありません。
そして贈与する時期や金額に変化をつけるのも有効な手段となります。
贈与税が発生する場合には、必ず申告を行い、納税をしなければいけません。
贈与税がかかるとわかっていながら申告をしない場合や、うっかり申告をし忘れた場合でも、同じように遅延税や加算税という税金が上乗せされます。
せっかく負担軽減効果を狙って生前贈与をしたにも関わらず、余計な税金を払わなければならなくなったのでは本末転倒です。
贈与をする際には、贈与税がかからないのか、かかるのであればどのくらいの金額なのかしっかり把握することが大切です。
必要があれば期限内に申告・納税を行いましょう。

生前贈与には、暦年贈与をはじめ様々な方法があるとお話しました。
また贈与税がかからないものに関しては問題ありませんが、贈与する金額・贈与するものによっては贈与税が発生する場合もあります。
手続きが難しく、贈与税に関しても自信がないという方は、専門家に相談すると良いでしょう。
税理士はもちろん、相続に関して経験豊富な弁護士に相談するのも良いです。
相続は大きな金額が動くので、失敗を避けるためにも相談を検討してみてはいかがでしょうか。
相続税の負担軽減対策として、生前贈与のお話をしてきました。
毎年110万円までであれば贈与税の負担がなかったり、子育て資金・教育資金として1,000万円ほどの大きな贈与もできます。
生前贈与をする際には必ず贈与契約書を作成し、贈与される側ともよく話し合うことが大切です。
また、贈与税の面から見ても贈与契約書は重要になってくるので、必ず作成するようにしてください。
作成の仕方がわからない場合や、手間がかかり面倒くさい場合にも、税理士や弁護士等に頼れば力になってくれます。
生前贈与を計画的に進め、損のない相続にしていきましょう。
相続税の負担軽減方法と言えば、生前贈与をまず思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
生前贈与は相続税の課税対象となる財産を減らすことができるため、非常に有効な相続税の負担軽減方法の一つです。
当記事では非課税で生前贈与をする方法と注意点について解説していきます。



相続税対策に非常有効であるとされている生前贈与ですが、相続税の負担軽減に繋げるためには必要な手続きをしっかり行う必要があります。
当記事では生前贈与に必要な手続きと注意点を解説します。



相続対策として有効な手段がマンション経営等の不動産投資です。
不動産投資が相続対策になるということは聞いたことがあっても、その仕組みをご存知無い方も多いのではないでしょうか。
当記事では、なぜマンション経営が相続対策になるのか、徹底的に解説します。

まずはなぜマンション経営が相続対策になるのか確認していきましょう。
なぜマンション経営が相続税対策になるのでしょうか。
その理由は現金よりも不動産の方が相続税評価額は低くなるということがあげられます。
不動産には様々な値段があると言われています。
まず皆さんが思浮かべるのは不動産の「時価」でしょう。
不動産の売買は購入する側と売却する側が合意すれば、成立します。
そのため、確固たる価格が存在しているわけではありません。
不動産の時価は買いたい側の需要の強さと売りたい側の共有の多さで決まるものです。
それでは不動産の相続税はどのように評価するのでしょうか。
不動産の評価は土地と建物で異なる評価をします。
相続した土地は「路線価」で評価されます。
路線価とは国税庁が定める土地の評価の基準とする価格でそれぞれの土地の評価額を定めています。
路線価は一般的に時価の80%程度とされており、土地を購入することで、相続税評価額を2割下げることができると考えておくとよいでしょう。
路線価:https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
一方の建物は更に相続税評価が時価よりも安くなる傾向があります。
建物は毎年課税される固定資産税評価額で相続財産の評価が行われます。
固定資産税評価額は時価の50%~70%程度となりますので、相続税評価額を更に圧縮することができるのです。
不動産を購入することで、相続税評価額を圧縮することができますが、マンション経営のように人に貸すことで更に土地の評価を下げることができます。
人に貸すことで土地の評価を下げる仕組みを「貸家建付地」と言います。
貸家建付地は以下の計算式で計算します。
【計算式】
自用地価格-自用地価格×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
借地権割合とは90%~30%で定められており、一般的に70%程度で設定されています。
借家権割合は30%と定められており、賃貸割合はマンション経営の場合何室埋まっているかによって決まります。
つまり、全ての満室であれば100%となります。
マンション経営をする際に借入をして不動産投資を行う人も多いでしょう。
マンション経営をする際に借り入れをすると、借入金額は相続税評価額から差し引くことができます。
例えば、相続税評価額が2億円の不動産で借入が1億円ある場合の相続税評価額は1億円となります。
不動産は相続税評価が時価よりも安くなるため、借入をして規模の大きい不動産を購入することで、相続税評価を大きく下げることができます。

ここまでマンション経営をする際に不動産の評価方法等によって相続税対策に繋がることをご紹介しました。
それでは実際にどのくらい相続税評価を下げることができるのか実際に計算してみましょう。
【計算事例】
土地の時価:1億円
建物の時価:1億円
借入金額:1億円
保有している土地の借地権割合:70%
マンションの賃貸状況:満室
まず土地の評価は路線価により評価をするため、1億円の評価額であれば、8割程度の8,000万円程度になります。
また、土地の評価は貸家建付地評価により、更に評価を下げることができます。
貸家建付地の評価は以下の通り行います。
8,000万円(自用地価格)×70%(借地権割合)×30%(借家権割合)×100%(賃貸割合)=1,680万円
更に建物は70%程度で評価ができるため、7,000万円程度で評価をすることができます。
借入の1億円を差し引くことができるので、最終的な相続税評価額は以下の通りです。
8,000万円(土地の評価)+7,000万円(建物の評価)-1,680万円(貸家建付地の評価減)―10,000万円(借入金)=3,320万円
上記の計算のように借り入れをして不動産を購入することで、大きく相続税評価額を圧縮することができます。
今回のケースでは1億円は手もと資金、1億円は借入によって不動産を購入したことになりますので、実質的な評価減は6,680万円です。

相続税対策として非常に効果が大きいマンション経営ですが、注意点もありますのでしっかり理解しておきましょう。
マンション経営をすることによって相続税対策にはつながります。
しかし、マンション経営自体が上手くいくとは限りません。
マンションの空室が多く、収入が得られない場合でも固定資産税や管理費や修繕費などの費用はかかってしまいます。
収入が少ないと、マンション経営が赤字になってしまうこともあるのです。
相続税の負担軽減ができたとしてもそれ以上にマンション経営で赤字になってしまっては意味がありません。
相続税対策でマンション経営を行う際にはマンション経営自体が上手くいくかどうかにも気を配る必要があります。
相続が発生した際に、相続人が複数いる場合は相続する財産をどのように分けるか話し合う必要があります。
例えば、子どもが二人いるケースでは、50%ずつ相続するということもあるでしょう。
現金であれば分けやすいものですが、不動産は半分で分けるということができません。
共有で相続するということは可能ですが、共有してしまうと後々の売却や修繕のタイミングで二人が意思をあわせなければならないため、何かと不便になることも多いのです。
そのため、財産の大半を不動産が占めることになってしまうと、相続人間でトラブルに発展する可能性もありますので、相続税だけでなく、分割方法にも注意しておく必要があります。
相続税対策の方法としてマンション経営は非常に有効な手段です。
土地・建物は時価よりも相続税評価が低くなるため、不動産を購入するとすぐに相続税対策の効果があります。
また、人に貸すことで貸家建付地の評価減を受けることができ、借入をすることで、その規模を大きくすることができます。
しかし、マンション経営自体が上手くいくとは限りません。
相続税対策としては有効ですが、デメリットもありますので、注意点をよく理解してからマンション経営を行うようにしましょう。
関連記事:相続税対策は今すぐできる!生前からできる対策と注意点を解説
相続税対策は借金をすれば良い、そんなことを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし、借金をすれば必ず相続税対策になるわけではありません。
当記事では借金がなぜ相続税対策になるのか。
どのようなケースで相続税対策につながるかをわかりやすく解説します。

相続税対策ではなぜ借金が有効と言われているのでしょうか。
その理由は相続税の課税対象財産から借金の額を差し引くことができるからです。
例えば1億円の財産があり、1億円の借金がある場合、相続税の課税対象財産は0です。
しかし、借金をするとその分借金も増えますが、手元の現金も増えてしまいます。
次にどのようなケースで借金が有効か確認してみましょう。

借金が相続税対策に有効な場合とはどのようなケースなのでしょうか。
具体的に事例を見ていきましょう。
相続対策として有効なケースは、現金を不動産に変えることで相続税の課税対象となる財産を抑えることができると言う点です。
不動産の価値は様々な評価方法があると言われています。
不動産の価格と言われてまず思い浮かべるのは市場で流通している売買価格でしょう。
不動産の相続税の評価は原則、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価されます。
路線価や固定資産税評価額は時価よりも低いことが多いため、現金を不動産に変えることで相続税評価を抑えることができるのです。
一般的に相続税評価額は土地の場合、売買価格の80%程度と言われています。
また、建物は建築時価の50%70%程度で評価されるといわれています。
さらに、建物の価格は第三者に賃貸することで30%控除されます。
具体的に計算をしてみましょう。
【計算例】
購入価格;5,000万円
土地部分相続税評価額(路線価):2,400万円(時価3,000万円の80%)
建物部分相続税評価額(固定資産税評価額):1,000万円(時価2,000万円の50%)
控除額:300万円(第三者に賃貸することで建物価格の30%を控除)
と計算することができます。
このケースでは5,000万円の現金を出して購入したことで3,100万円の評価(2,400万円+1,000万円‐300万円)となり、相続税の課税対象となる財産の評価額を1,900万円圧縮することが可能です。
今回は5,000万円でシミュレーションを行いましたが、金額が大きくなればなるほど圧縮効果は大きくなっていきます。
上記のように、不動産投資は税の負担軽減効果が非常に高いため、相続税対策として非常に有効です。
また借金をし、不動産の規模を大きくすることで相続税対策としての効果を大きくすることができるのです。
保有している不動産が老朽化している場合、建物を修繕するために借金をしておくことは有効な手段です。
例えばマンションを保有していて修繕費に5,000万円が必要だが手持ちの現金が少ないケースです。
このような場合では5,000万円の修繕を行うことで不動産の価値は向上し、建物の相続税評価は高くなります。
しかし、大規模修繕で5,000万円の投資を行なったとしても相続税評価が5,000万円も上がることはありません。

相続税対策で借金をする際はどのような点に注意をすれば良いのでしょうか。
具体的に確認しておきましょう。
借金自体が相続税対策に有効なわけではありません。
あくまで借金をして借りたお金で不動産などの資産を買って、資産を圧縮できなければ意味がありません。
借金をすることが有効な理由は借金をすることで金額の大きい不動産を購入することができるため、相続税対策の効果が大きくなることが挙げられます。
借金自体が相続税対策になるわけではないことは覚えておいた方が良いでしょう。
借金をして相続税対策をする際は不動産投資を行うことが多いでしょう。
確かに、借金をして得た現金を不動産投資に回せば相続税対策は可能です。
しかし不動産投資は、空室となってしまったり、天変地異などで建物がダメージを受けてしまったりするリスクがあるため、必ず成功するとは限りません。
不動産投資に失敗して出てしまった損失が相続税の負担軽減できる額を上回る可能もあるのです。
また、不動産投資をするために借金をする理由は金額の大きい不動産を購入するためです。
不動産の時価は相続税評価よりも高いため、現金や借入金で不動産を購入することで相続税対策につながります。
しかし、購入する不動産の金額を大きくするということはそれだけ失敗した際のリスクも大きいということです。
借金をして規模を大きくすればするほど相続税の負担軽減効果は大きくなりますが、その分リスクも大きくなってしまうということには注意が必要です。
借金をする際に大きくリスクとなるのが金利上昇です。
融資を受ける場合、固定金利と変動金利を選択することができます。
固定金利は契約当初の金利のまま変動しませんが、変動金利は市場金利が変動した場合連動して変動する仕組みです。
現在は超低金利状態が長期間継続していますが、今後金利がどうなるかわかりません。
特に金額が大きい場合は注意が必要です。
例えば借入金が1億円の場合、1%であれば年間の支払い金利は100万円ですが、3%の場合は300万円になります。
金利が上昇したことにより相続税で節の負担軽減をした以上に金利の負担が増える可能性もありますので、金利上昇には注意が必要です。
借金を活用して相続税対策を行う方法をご紹介しました。
借金をして現金よりも相続税評価が低い財産を購入することで、相続財産全体の評価額を下げることが可能です。
しかし、借金をすること自体が相続税を下げるわけではなく、不動産など現金よりも相続税評価が低くなる財産に変えることで効果を発揮することはしっかり覚えておきましょう。
また、借金をすることで購入する不動産の額を大きくすることができるため、相続税対策の効果も大きくなります。
ただし、不動産にはリスクもあるため、金額が大きくなることでリスクも大きくなるということは覚えておいた方が良いでしょう。
関連記事:相続税対策は今すぐできる!生前からできる対策と注意点を解説
相続税の課税対象となる財産はあらゆる財産が含まれ、預金や株式等の金融資産や不動産が中心となるでしょう。
しかし、車やバイクも立派な相続財産です。
当記事では車やバイクの相続税対策についてくわしく解説します。

車やバイクは経済的に価値のあるものですので、相続税の対象となります。
車やバイクは、時間が経つと新車として購入した価値からどんどん下がっていきます。
そのため、車やバイクは購入した時の価格ではなく、被相続人が亡くなった時点での時価で相続財産として評価します。
車やバイクは、相続財産としてしっかりとした手続きをせずにそのまま使用し続けてしまうケースが多くあります。
しかし、車やバイクは財産として遺産分割協議書に記載して、相続税申告の際にも財産として組み入れる必要があります。

車やバイクの相続方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
具体的な方法をみて行きましょう。
車やバイクを相続してそのまま使い続ける場合には名義変更をする必要があります。
名義変更をする際には遺産分割協議書に記載し、陸運局に届け出を行う必要があります。
陸運局への届け出には相続人を確定するための相続人全員が確認できる戸籍謄本やと、手続きをする車を特定するための車検証や車庫証明書が必要となります。
また、誰が相続をするか、遺産分割協議書も事前に作成しておく必要があり、多くの事前準備が必要です。
車やバイクを相続することは簡単な手続きではないということを覚えておきましょう。
相続した車やバイクを相続人が利用しない場合には売却することも可能です。
しかし、売却する際は一旦名義変更を行う必要があります。
売却する際も相続税の申告や名義変更の手続を行ってから売却する必要があるので、相続人がそのまま使わずに売却する際も複雑な名義変更手続きが必要です。
車やバイクを廃車にする際も遺産分割協議書を作成して、分割手続きを行ってから廃車にする必要があります。
遺産の分割手続きを行ったあとでなければ、誰が車やバイクを相続するか確定していないということになりますので、廃車手続きを行うことはできません。
また、廃車にする場合でも相続財産として相続税の課税対象となります。
廃車にするからといって相続手続きを行わなくて良いわけではありませんので、注意しましょう。

車やバイクを相続する際にはどのような対策を行うことができるのでしょうか。
車やバイクを相続する際の具体的な相続税対策を確認しておきましょう。
相続税の計算をするために車やバイクの価格を調べる際はインターネットで中古車の売値を調べる方法が一般的です。
しかし、インターネットで中古車の売り値を調べるよりも、買い取り業者の査定の方が基本的に評価は安くなりますので、相続税評価を下げるためには買い取り業者に査定を貰った方が良いでしょう。
買い取り業者の方が安くなる理由は買い取り業者が買い取ったものを中古車販売の業者の利益分を載せているためです。
少しでも相続税評価を安くするためには買い取り業者の査定書を相続税の評価額とする方法が得策です。
相続人が車やバイクを引き続き使用するようなケースでは、新車に買い替えておくというのも一つの方法です。
車やバイクの評価額は新車の場合でも購入額よりも低く評価されるため、現金で持っているよりも車やバイクを買っておいた方が評価は低くなります。

車やバイクを相続する際にはどのような点に注意をすれば良いのでしょうか。注意が必要な点を具体的に確認しておきましょう。
車やバイクは相続財産ではありますが、相続「財産」として意識されずに処理されることもあります。
特に法定相続人のうち一人が被相続人と同居しているようなケースでは当然のように同居をしていた相続人がそのまま使い続けたり、売却したり、廃棄するという意思決定を下すケースもあります。
しかし、車やバイクは相続財産ですので、本来は相続人全員で話し合って誰が相続するかを決めたうえで車やバイクの処理方法を決める必要があります。
車やバイクも預貯金や株式等の金融資産や不動産と同じように相続する財産であるということを意識しておく必要があります。
相続財産であるということを意識するということは遺産分割協議書にも記載する必要があるということです。
遺産分割協議書には自動車やバイクの登録番号・車名・型式等を記載して、車やバイクを特定する必要があります。
遺産分割協議書に記載し、誰が相続するかを明確に示しておくことは非常に重要です。
相続人間でトラブルに発生する理由は様々ですが、些細な意識のずれが大きなトラブルに発展することも多くあります。
何億と財産を保有する被相続人の遺産分割においても、数十万円の資産の分け方の不公平さで揉めるということも発生します。
財産の額に対する割合が例え小さかったとしてもしっかりと配分を話し合い、遺産分割協議書に記載するようにしましょう。
車やバイクの相続手続きの方法や相続税対策についてご紹介しました。
全ての資産に対して相続税対策をする際は相続税評価額を圧縮することが重要です。
車やバイクの評価を少しでも下げるためにはインターネットで公開されている「売り値」ではなく、買い取り業者が実際に買い取る値段を調べておくことが重要です。
インターネットで売り値を調べるのと比べると買い取り業者の査定をとることは一手間がかかってしまいますが、ほぼ確実の評価を下げることが可能です。
また、自動車やバイクは相続財産としてしっかりと遺産分割協議書に掲載して相続手続きを行うことが重要です。
手続きを怠り、相続人のうち一人が勝手に自動車やバイクを使用したり、売却したりした場合には財産を分割する際にトラブルになる可能性もありますので注意しましょう。
関連記事:相続税対策は今すぐできる!生前からできる対策と注意点を解説
相続税対策をするためには不動案を活用することが効果的です。
不動産は時価よりも相続税評価が低くなるため、現金を不動産に変えておくことで相続財産の評価圧縮につながり、相続税対策に繋がります。
当記事では不動産で相続対策を有効に行う方法と注意点をご紹介します。

不動産はなぜ相続税対策につながるのでしょうか。
一言で言うと不動産は時価よりも相続税評価額の方が安いからです。
不動産は大きく分けると土地と建物に分かれます。
土地は「路線価」と呼ばれるもので評価され、一般的に時価の80%程度と言われています。
つまり、時価1億円の土地を購入した場合、相続税評価額は8,000万円程度になることが多く、土地を購入することで2,000万円の評価減ができるのです。
さらに、建物は固定資産税評価額で相続財産の評価が行われ、時価の50%~70%程度で評価されます。
このように土地・建物は時価よりも相続税評価額が低くなるため、現金を不動産に変えておくことで、相続税の課税対象となる財産を減らすことができるのです。

不動産を活用することで税の負担軽減につながる仕組みを理解できましたか。
次に不動産で相続税対策をする際のポイントをご紹介します。
不動産は土地と建物がありますが、先ほどご説明したように土地よりも建物の方が圧縮効果は大きくなります。
そのため、駐車場等の土地だけよりも建物も活用する賃貸住宅のような不動産を購入する方が効果的です。
また、同じ価格の不動産であっても、建物の評価の割合が不動産全体のなかで大部分を占めるマンション等の方が相続税の圧縮効果は大きくなります。
不動産は人に貸すことで相続税評価を大幅に下げることができることをご存知でしょうか。
人に貸すことで、「貸家建付地」として相続税評価を圧縮することができます。
具体的な計算は以下の通りです。
【計算式】
自用地価格-自用地価格×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
自用地価格とは自分で利用している場合の土地の評価です。
つまり自分で利用している土地の価格から借地権割合や借家権割合をかけあわせたものを差し引くことができるということです。
借地権割合とは路線価図にA~Gの記号で定められており、最も高いAが90%、最も低いGが30%です。
一般的にCの70%程度であることが多いです。
次に借家権割合とは全国一律で30%と定められています。
最後に賃貸割合ですが、マンション等を賃貸に出している際に何室が埋まっているかによって異なります。
例えば、10室あるマンションの10室全てが埋まっている場合の賃貸割合は100%。
10室のうち5室が埋まっている場合の賃貸割合は50%です。
それでは具体的に計算してみましょう。
【計算例】
土地の評価:5,000万円
借地権割合:70%
借家権割合:30%
賃貸割合:80%
上記の場合の計算は以下の通りとなります。
5,000万円―5,000万円×70%×30%×80%
計算すると5,000万円―840万円=4,160万円となり、貸家建付地による評価減によって840万円の相続財産圧縮に繋がったということになります。

ここまで不動産で相続対策を行うことが有効であることについて解説しました。
しかし、不動産での相続対策が必ず成功するわけではありません。
次に不動産で相続対策をする際の注意点をみて行きましょう。
不動産で相続対策をする際に必ず覚えておきたいのは、不動産投資にはリスクがあると言うことです。
基本的に相続対策のために不動産を購入する際は自分で住むための不動産ではなく、購入して人に賃貸するいわゆる投資用の不動産であることが多いでしょう。
このような投資用の不動産はリスクがあり、損をする可能性もあるということを頭に入れておかなければいけません。
不動産投資の最大のリスクは「空室リスク」であると言われています。
空室リスクとは購入した不動産に借り手がつかず、空室の状態が長く続いてしまう状態です。
不動産の維持にはメンテナンス費用がかかります。
建物の修繕費や固定資産税は人が住んでいなくても発生しますので、空室となり、収入が入ってこない状況になってしまうとコストだけがかかる状態になってしまいます。
不動産のリスクは空室リスクだけではありません。
例えば、大地震や台風などで建物がダメージを受けた場合、大きな修繕費がかかる場合もあります。
また、賃貸中に部屋の中で自殺や殺人事件が起こってしまった場合、事故物件として他の物件よりも大幅に家賃を下げなければ入居者が現れないという可能性もあります。
このように不動産投資自体で損失を抱えるリスクがあります。
不動産投資で大きな損失を出してしまうと、相続税の圧縮効果よりも赤字額が大きくなってしまうこともありますので注意が必要です。
相続人が複数いる場合には不動産で相続対策をする際に注意が必要です。
例えば子供が二人で、不動産評価額1億円、現金が5,000万円の場合どのように分ければよいでしょうか。
不動産を共有すると、売却や建て替え等の際に双方が合意する必要があるため、何かと不便です。
しかし、不動産が相続財産の大部分を占めるため、どちらかが不動産を相続すると不公平が生じてしまいます。
このように不動産は現金よりも分割して相続することが難しいため、分け方にも注意が必要です。
不動産があることによって揉めごとに発展してしまうケースも珍しくありませんので、不動産で相続対策をする際は注意が必要です。
不動産は相続税対策に有効な手段の一つです。
特に資産家には評価減の効果が大きく昔から相続税対策の一環として人気があります。
しかし、不動産での相続対策には注意する点があります。
一つ目は不動産投資にはリスクがあること、二つ目は複数の相続人がいる場合には分け方に注意が必要であるという点です。
不動産は効果が大きいため、是非取り入れたい相続税対策ですが、注意点をしっかり考慮して行うようにしましょう。